〈事案〉

子どもが3人いる婚姻歴約20年のご夫婦で,夫が実家に帰る形で別居が始まりました。まもなく夫から離婚を切り出され,妻も離婚はやむを得ないと考えたものの,相手方の提案する離婚条件に同意してよいかどうか判断が難しく,また,夫との直接交渉をすることへの不安が大きく,弁護士をつけて交渉することになりました。

 

 

〈解決〉
離婚条件について夫本人と協議を始めたところ,財産分与(自宅(ローン完済)、退職金、預金、生命保険など)や大学進学を控えたお子様方の学費を含めた養育費のほか、面会交流の方法が争点となることがわかりました。
財産分与や養育費については,裁判所実務の考え方を夫の方にも理解してもらい,必要な書類をお互い出し合った上で取り決めていきました。
財産分与については,数年後に夫が受け取る予定の退職金の資料も用意してもらい,その他財産についてもお互いに資料を出し合った上で,いつどのように清算するかということを詰めました。
養育費については,相手方提案の金額が算定表の金額より低かったため算定表通りとし,今後かかる学費についても原則として夫の方で負担することになりましたが,その際夫の方から子どもたちと定期的に面会交流を行いたいという強い希望が出されました。
妻としては夫が面会交流に対して強いこだわりを見せたことは意外なことであり,当初はかなり消極的でしたが,双方納得のいくまで協議をしたのち、細かく取り決めることになりました。

離婚自体について合意できていても、取り決めることが多かったり、双方譲歩が難しい事項があったりする場合には、ご本人同士で協議離婚するのが困難なことがあります。
直接は言いづらいことでも、代理人を通すことで、却ってはっきりご自身の意向を相手方に伝えられ、結果的に納得のいく条件を取り付けられた例です。

 

 

投稿者: ガーディアン法律事務所